2012年8月2日木曜日

地位の高い者は共和党支持

ミシガン大学世論調査研究所がまとめたところによれば、教育程度の差や職業による支ここから浮かびあがってくる姿というのは、いわゆる少数民族と称せられる人々が民主党を支持することが多く、社会の中枢部を占めるアングロサクソン系の白人に共和党支持者が多いということである。

政党は文化である それにしても、アメリカ社会は身分の移動が比較的簡単な国のはずであった。昨日までは非熟練工でも、明日からは管理職ということもあり得る。そのような場合には、自分の支持政党を変えるのだろうかという疑問がわいてくる。

また最近になって、南部の民主党支持者が離反し始め、共和党に回っているということもよくいわれている。つまり、誰にも強制されることのない社仝のなかでは、個人が独自の判断にもとづいて支持政党を決めるように思われている。

そしてその流動的なところに、自由社会の政治のドラマのおもしろさがあるなどと考えてしまいがちである。しかし本当にそうだろうか。くわしく調べてみると、こちらで想像するようには人々が自由に支持政党を変えたりしているのではないらしい、ということがわかってきた。

むしろそれぞれの家庭にはその家の伝統のようなものがあり、アメリカ人ぱその伝統にのっとって支持政党に資金を出したり。あるいは投票行動をとっているらしいのである。一九七〇年代の半ばまでハーバード大学で政治学を教えていたV・O・ケイによれば、両親と同じ政党に投票する者は、全投票者の七五パーセント以上に達するという。

すなわち、自分たちが支持する政党の種類は、その家庭の文化として親から子供へと受けつがれているのである。西欧の家庭には、たしかに家庭に伝わる文化がある。たとえば、父親がよくビールを夕食時に飲む家庭で育った子供は、成人して自分もビールを飲む人間になることが多い。

ところがビール会社には申し訳ないが、ビールは労働者階級の飲む卑しい飲みものであるなどと考える社会階層がアメリカには存在する。そのような家庭ではワインなどのアルコール類がふるまわれ、子供たちは成人しても自然とワインをたしなむということになる。

ビールを飲むことが当たり前だと思っていた子供たちは、ワインのまえでぱおじけづいてしまうか、あるいはワインを飲むのは気取り屋のすることだとして、かえってワイン飲みを軽蔑することになる。