2015年3月11日水曜日

抵抗力が低下すれば、日和見感染症が生じる

抵抗力が低下すれば、日和見感染症が生じる。この意味では、やはり常在微生物も外患に含まれるべきであろう。内憂の原因となる生物としては悪性腫瘍が挙げられると思う。悪性腫瘍細胞はもともとその人の身体を構成している細胞から出てきたものなので、ほかの人の臓器と同じような拒絶反応を受けないが、排除反応がまったく生じないわけではない。問題となる悪性腫瘍は、そのような排除反応を振り切って現われてきたものであろう。

悪性腫瘍細胞は、自分にとっての環境である患者の身体を失えば滅亡するにもかかわらず、普通はその増殖によって患者を殺してしまう。この意味では、悪性腫瘍細胞は環境あっての生物という原理を持っていないことになる。伝染病の考え方からすれば、このような悪性腫瘍細胞はほかの個体へ伝染できなければ滅亡するはずである。しかし、それは一向になくならない。悪性腫瘍細胞は、テンペレートーファージがファージ粒子を作るようなものだろうか。するとプロファージに相当する遺伝子は、生殖細胞を通じて代々、伝えられていることになるだろうか。そう考えれば、悪性腫瘍細胞は常在微生物と似ているところがあるように思える。