九三年九月の中間期決算でも、それまでの懸命な不良債権償却にもかかわらず、都銀一一行の不良債権合計は九兆二四八五億円、長信銀と信託一〇行のそれは四兆四八五四億円、総計一三兆七三三九億円にもなっている。ちなみに、都銀のこの不良債権額は、本業の利益を示す業務純益の約八倍、長信銀・信託では約一五倍にもなっている。
しかし、これらの数字は、実は銀行がかなり恣意的に細工できるものである。たとえば、延滞債権を一度返済してもらってまたただちに貸付けた、というような操作をすれば、かたちのうえではそれは延滞債権ではなくなる。
また、事実上は経営が破綻していても、金利減免など銀行が救済策をとっている場合の債権も、経営破綻先債権に含まれていない。実際、先の不良債権の数字には、金利減免をおこなっている住宅専門金融機関への五兆円や系列ノンバンクに対する貸付は含まれていないのである。また対外債権の焦げ付きの問題もある。
だがここに、公表された不良債権と実態との距離をうかがい知ることができる格好の材料が登場した。市中銀行に対する日銀考査資料の流出という「不祥事」である。日銀が約六五〇の金融機関に対して二、三年に一度おこなう経営の細部にまでわたる調査は、当然に極秘事項である。
ところが、九三年一月には三菱銀行に対しておこなった九〇年の考査資料の一部が流出し、さらにぱ九三年一一月九日号の『エコノミスト』誌が、九三年一月一九日付の富士銀行に対する日銀考査資料をスッパ抜いたのである(「日銀考査で叱責された富士銀行」)。
2014年11月11日火曜日
公正な集中審理を行う意味
それよりも、審理の時間に限界があることを前提に、訴訟に関わるすべての人が必死で手続を進めるため、裁判そのものは遥かに速くなるのです。あとで紹介する模擬陪審裁判でも、実際には約三年かかった民事事件を、たった一日で評決までやってしまいました。
現在も「裁判の迅速化」は求められていますが、それを法律家の心がけだけに任せて、「なるべく速く済ませようよ」などと仲間同士でやっているようでは、裁判は迅速には進みません。ただ単に時間を区切る「計画審理」だけやっていても、迅速な裁判にはなりません。
陪審制によるメリットの第二は、集中審理を行う前提として、必然的にその準備のために徹底的な証拠開示制度が必要となることです。公正な集中審理を実現するには、証拠開示を徹底することが不可欠であって、今の日本でやっているような、限られた証拠だけで裁判をやることは許されません。
一般の人々が裁判に対して最も切実に求めるのは、「真実の究明」でしょう。しかし、真実究明を促進するのは、「誰が裁くか」の問題ではなく、「何か証拠か」の方が大きいのです。つまり、現実には、証拠如何で真相究明が進んだり進まなかったりするので、証拠をできるだけ早く徹底的に集める制度が必要になってきます。
そこで、後述のように、陪審制を導入する場合には、徹底した「証拠開示制度」、すなわち証拠をより広範に、早い段階で提出させる制度が必要不可欠となります。
現在も「裁判の迅速化」は求められていますが、それを法律家の心がけだけに任せて、「なるべく速く済ませようよ」などと仲間同士でやっているようでは、裁判は迅速には進みません。ただ単に時間を区切る「計画審理」だけやっていても、迅速な裁判にはなりません。
陪審制によるメリットの第二は、集中審理を行う前提として、必然的にその準備のために徹底的な証拠開示制度が必要となることです。公正な集中審理を実現するには、証拠開示を徹底することが不可欠であって、今の日本でやっているような、限られた証拠だけで裁判をやることは許されません。
一般の人々が裁判に対して最も切実に求めるのは、「真実の究明」でしょう。しかし、真実究明を促進するのは、「誰が裁くか」の問題ではなく、「何か証拠か」の方が大きいのです。つまり、現実には、証拠如何で真相究明が進んだり進まなかったりするので、証拠をできるだけ早く徹底的に集める制度が必要になってきます。
そこで、後述のように、陪審制を導入する場合には、徹底した「証拠開示制度」、すなわち証拠をより広範に、早い段階で提出させる制度が必要不可欠となります。
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